白くなったキャンバスに再び思い出が描かれるように
 相変わらず姉貴はオープンというか、あけっぴろげな性格は結婚してから加速度を増していた。

 「あははは、まっ若いうちはそれがお勤めだからね。避妊だけはちゃんとしておきな。それと母さんから頼まれてたんだけど……」

 「うん、解った」

 「そうだ、落ち着いたら今度その子連れてきなよ。挨拶とかそんな堅苦しい事じゃなくてさ。喜ぶと思うよ母さんも、私もあってみたいしね」

 「うん、その内」「うん、それじゃね。頑張って」「うんそれじゃ」

 思いがけず、姉貴に彼女がいる事を打ち明けてしまった。


 そして、後で電話じゃなく手紙を書こうと思った。俺らを一生懸命育ててくれたお袋に。
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