蝶と空

「じゃあさ!」

美樹は急に声を明るくした。


「え?」

「次は幸せの折り返し地点だよ」

「折り返し…地点?」

「そう。人生ってさ、悲しい事と幸せと半分ずつって聞くじゃない?今まで悲しい思いしてきた紗知には、きっと幸せが待ってるよ」

「ふふっ。そうだといいな」


私と美樹はお互いの顔を見て微笑んだ。


やっぱり、よかった。

美樹と友達でよかったって

そういう気持が胸に染みた。



まだなんなのか分からない映像も、時たま聞こえる声も。

すべてに意味があるんだよね。


きっと きっとそう。




だから私は耐えていよう。
美樹もいるしお母さんもいる。


私には、私を思ってくれる人がいるから。





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