蝶と空
「本当にいいの?」
美樹は、また不安そうに私に言った。
「うん。いいよ」
私は呆れてそう言った。
「じゃあ、いくよ」
美樹がそう言った瞬間、私の感覚のないはずの耳に、なんとも言えない痛みが走った。
「いたっ…」
「大丈夫?!もう終わったよ!」
「うん…ありがとう」
私は美樹に苦笑いをした。
「耳に穴開けるのって、こんなに痛いものなんだね」
「もっと冷やせばよかったかな?」
病院でこんなことするなんておかしいけど、ずっとずっと、付けたかった。
あなたからもらったピアスを。
私は我慢できなくて慣れている美樹にお願いをし、買ってきてもらった。
「少しの間は耳が塞がらないように、これを付けるの」
美樹から白くて軽いピアスのようなものをもらって、それをしばらく付けることになった。
早く付けたい。
学校の校則なんて、もうどうでもよかった。
一日でも早く
付けれる日がくるといいな。