蝶と空



私はここに来て改めて、部屋を見渡した。


リビングには、小さな花模様のカーテンと白い大きなソファー。


一人暮らしでは絶対ない。


すごく広いこの家は、部屋が何個あるんたろう。


それに、まるで潜んで住んでいるように海の近くにある。


きっともう来れないと思うくらい、難しい道のりだった気がする。


すごく綺麗で、なんだかお嬢様が暮らすような家。




そっと椅子に座って、お皿の中のスープを飲んだ。




暖かい、懐かしい味…



ポロポロと涙が頬を伝う。


なんで泣いてるんだろ


怖くてたまらなかったこの心と体が、暖かいスープと微かに聞こえるシャワーの音でほぐされていった。




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