蝶と空
「ん………」
少しずつ
目を開くごとに光が入るこの瞬間
いや
嫌
朝は嫌い
一日の始まり、それは地獄の始まりで
いや…
もう少ししたら、お母さんが起こしにきて
食べたくもない朝食を、お母さんの顔色を伺いながら食べて
気持悪くなって
呼吸が荒くなる…
「おはよう。良く、寝れた?」
あ…
そっか。
いつもはこの光を嫌うのに、
光の中に君がいたから…
よかった…
「どうした?!」
え、あたし
泣いてる?
涙は、横に
すっ、と流れて
枕に消えていったみたい。
私は彼を、ぼーっと見つめる
「…怖かった…いつもの朝かと…思ったの…」
「大丈夫…俺がここにいるから安心して」
どうしてこの時、君は悲しい顔をしたのか。
そんなの考えるヒマなんてなかった。
ただ、安心して
汗も冷えていった。