蝶と空
淡い紫色の、
小さな花型のピアス
「これ…あたしに…?」
「そうだよ」
小さなおまじないがかかった
小さく光るピアス。
「穴、空いてる?」
「ううん。でも、絶対付ける」
「うん」
ありがとう。
ごめんね
一生忘れることのない、思い出。
後から思えば君は、白いワンピースの誰かに遠慮してあなたの優しさに戸惑うあたしの心を
この小さなピアスで埋めてくれた
そんな小さな魔法に
私はまんまとかかってしまいました。
幸せに埋もれた小さな幸せは
思いきり底に落とされた時じゃなければ感じられないもの。