蝶と空
そんな幸せの中で
俺は暮らしていたんだ。
でも
君の異変に気付いた
それはある秋の日の学校帰り。
いつもより早く、授業が終わって
なぜか二人で急いで帰って
寄り道しよう、と紗知に手を引かれて
真っ赤な落ち葉の上で座りながら紗知は、ぽつりぽつりと家の事を話し出した。
「あのね、昨日はシチューだった」
「え…あぁ、うん」
「でね、その後にお母さんとね、お話をしたよ。学校のこととか」
「…うん」
何が言いたいんだろう。
俺はまだわかってなかった