蝶と空
「空、一緒にねよー」
そんな不安をよそに、紗知はピンクのパジャマに身を包んでニコニコしている。
「うん、いいよ」
そのまま紗知に手を引かれて、寝室に向かう。
すでに寝室には、ベッドの隣に布団が敷かれていた。
「紗知はねー、ここで寝る!」
「え、紗知はベッドで寝なよ」
紗知は自分のベッドじゃなくて、布団にくるまった。
「じゃあ空ベッドで一緒にねようよー!紗知、寂しいもん」
「分かった…よし、寝よう!明日も学校だよ!」
「はあーい!!」
そうして二人で、一つのベッドに入った。
「………」
しばらくすると紗知はびくともせずに壁の方を向いていた。
もう、寝たのかな
そう思っていた時。
「………空は……」
「え?」
紗知はかすれ声で喋り出した。
「……空…は……きっとしあわせに…なって…」
「え…?」
紗知が何を言ってるのか
まったくわからなかった。