蝶と空
血と記憶
朝。
ゆっくりとまぶたを開いた。
光が目に染み込む。
「……………さ……ち?」
横を見ると、紗知がまだ寝息を立てていた。
それを見て、なぜかほっと胸をなでおろす。
時計は六時。
まだ少し早い。
「…んっ……」
すると突然、紗知が目を覚ました。
「…そらぁ…おはよ…」
「紗知、おはよう」
そして僕は、そっと紗知を抱き締めた。
「空……?どしたの?」
紗知は驚いている。
「紗知、よく頑張ったね」
その一言で紗知は泣いた。
今まで溜めていたものが、全部抜けたんだろう。
それから僕は、昨日のことも全部話した。
そして最後に、もう大丈夫だよと言った。