蝶と空






紗知がドアを先にあけた。










「…………おかあ…さん……?」






紗知が、急に固まった。



その後に僕が部屋を覗いた。




僕も、固まった。


体が硬直した。






「父さん…母さん…?」








そこには、父さん母さんの変わり果てた姿があった。


ぐったりしている二人をよく見ると、


息はしてなかった。






その奥には、紗知のお母さんもぐったりして倒れていた。



息はしていない。






「…父さん…母さん!」



叫んでも返事はない。








「紗知…」

すると急に、後ろから声が聞こえてきた。




「紗知……!!お前がばらしたんだろう!」



「きゃ!!─」




一瞬の出来事だった。


後ろにいた紗知の父親が、鉄の棒で紗知を殴った。



紗知は倒れた。





「やめろ!武器を落とせ!」
今度は警察が入ってきて、それからはあまり覚えてない。



ただ分かったのは、両親が死んだということ。





紗知の父親が



殺したということ。







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