蝶と空
紗知が目を覚まさない日々の中、おばさんの家にいるのは疲れるし嫌だった。
いくら親戚だっていっても、お正月ぐらいしか会わないし
他人の家にいるようだった。
それにおばさんには離婚していて、僕のひとつ下の娘がいた。
その子がしょっちゅう僕につっかかってきた。
「空くんあのさ、今日寂しい思いした?」
「いや…別にしてないよ」
「本当?でも、あたしがいるからね!紗知のことも忘れてさ。それより、空くんって本当キレイだよね?」
「…そんなこと…ないよ」
いつも苦笑して答えていた僕。
正直、苦手だった。
一人でいたいのにいれない。
それに、入ってほしくないところにどんどん入ってくる。
でも…
お世話になってるかぎり、無視なんてできなかった。