蝶と空
「おはようー紗知っ!」
ぼーっとして歩いていたら、その声と同時に背中にドンと衝撃が走った。
「あ、おはよう」
美樹。
今日も高い位置にあるポニーテールが揺れている。
「どうした?最近顔色悪いよ?」
「えっ!?あ、ちょっとぼーっとしてて」
「そっか…本当に大丈夫?」
「平気だよ!!」
「そ、そう…?」
あ、また…
最近、美樹に作った笑顔がばれてる気がして焦る。
私の背中に、ひんやりした冷や汗が通った。