蝶と空



それからは午前はいつもと変わらない1日を過ごした。


美樹を入れた5・6人のメンバーでお昼を食べたあたしは一人、図書館に向かっていた。




なんだか

みんなといる気になれなくて。



レポートの資料集めだと、口実を作った。



昼休みに図書館にいる人は少なくて、ぽつぽつと本を選んでいる人がまばらにいた。

あとは図書委員会の人がカウンターに座っているだけ。



どうしようか。

別に読みたい本なんてないし、レポートはもう終わらせてしまった。



殺風景で静かなこの図書館の隅で


私はただ、本の背を指でなぞりながら流れるように黙読し続けた。



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