蝶と空
暗い夜道を
ただ走る。
「待って!!」
「………きゃ!」
私は急に誰かに腕を掴まれてバランスを崩した。
「どこ行ってんだよ!!危ないだろ!!」
顔を上げるとそこには暗くてよく見えないけれど、少年だということは分かる人物がいた。
私より、結構背が高い。
なんで止められたんだろう。
私が状況を理解できずに戸惑っていたとき。
「そっち、海だから」
「う…み?」
あぁ、今
やっと景色が見えた…
そこはあと10mほどで
海の波がうなりを立てていた。
………ストン。
私はその場で無力に座り込む。
私は、怖かった。
死にたいくせに
怖かった
全身が震えてるのが分かる。
「…はぁ…はぁ………」
息か次第に上がってきて
「っは…っは、っは…」
「大丈夫か?」
もう止まらないくらい、息が上がって
苦しい…
苦しい