蝶と空
ぬくもり
……朝、なのかな。
まだ開いていない瞼でも、世界は昨日の闇をなくし、明るさで光っていることが分かる。
目、開けたくないな。
また朝が来てしまった。
私は夜の方が好きなのに
暗くて
自分なんて塗り潰されてしまいそうな夜が。
それでも、必ず
朝はやってくる。
当たり前。
私は世界の主人公じゃないのだから。
仕方なく目を開いた。
やっぱり朝だった。
誰かが窓を開けたのだろう。
薄い桃色のカーテンはゆっくり揺れて
外の太陽はサンサンと輝く…
思わず太陽に、目を細めた。
あたたかい。
冬だというのに、雪が溶けてしまうんじゃないかってぐらい、暖かかった。