蝶と空
胃が痛いし
なんだか気持悪い。
結局私は、朝ごはんに一口も手を付けずに下げてもらうことにした。
「紗知…食べないと元気でないわよ?」
「うん。でも気持悪くて」
「あら…そう?じゃあいいけど。お母さん、ちょっと売店行ってくるわね」
「分かった」
はぁ。
思わず漏れるため息。
疲れた。
私はぐったりと背中をベッドに預けて、私の体に入っていく点滴の管を見つめた。
栄養だっけ、この管?
看護婦が色々言ってたけど、聞いてなかったな。
こんなの
意味ない
あたし、いらない
右手をのばして、針の入った左の腕へ。
目を瞑って、ひっぱる…
「紗知?」
「え…」
誰かが私の部屋に入ってきた。
私は急いで振り返る。
「お母さん」
そこには、私の携帯を持っているお母さんがいた。