蝶と空


「携帯、鳴ってたみたいだから」


「あぁ…ありがとう」



お母さんからもらった私の携帯は、小さな光が点滅している。


携帯なんて存在、忘れていた。



「じゃあね。お母さん、紗知の着替え取りに一回家に帰るわ」


「分かったよ」




ガラガラ


パタン。



ドアが静かに閉まるのと同時に、私は携帯を開いた。




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