蝶と空
「今ね、高木さんの体は、とても危ない状態なの」
「危ない…状態ですか?」
私が聞くと、彼女はこくりと浅く頷いた。
「あのね、運動していないのに、そんなに痩せるっていうのはすごく危険なことなの。あなたの身長での平均体重は、こんなに上よ」
そう言って一枚の紙を差し出された。
私の体重と、平均体重の書かれた白い紙。
「最近、ちゃんとご飯食べれていないんじゃない?今朝も食べれてなかったし」
確かに私は最近お腹が減らないし、食べたいという感情がない。
「ちょっとずつ、ゆっくり食べていこう。体が壊れちゃうわよ」
「…はい」
「無理なときは、ゼリーとか。高木さんの体に合わせてね。ゆっくりでいいから」
「わかりました。…ありがとうございます」
ゆっくり…
ちょっとずつでいいから。
その言葉に、
私は少し安心してしまった。
「私は桜木よ。何かあったらいつでも相談しなさい」
最後にそう言われた後、部屋に戻った。