蝶と空
「そんなに空気吸うな!過呼吸になる!」
このときの私は
彼の声なんて聞こえなかった
本当、苦しくて
ただ苦しくて
「しっかりしろ…!吸い込みすぎないほうがいいぞ!」
「く…るし…」
その時
私の唇はふさがれて
あなたの唇が私の吸いすぎる息を抑えた。
「…………っ」
呼吸は次第に落ち着いていって、あなたが唇をそっと離した。
「ごめん…抑えるものなかったから。落ち着いたか…?」
その質問に、私は首を縦に振って答えた。