蝶と空
「…み…き…?」
「紗知…あたしっ…心配してっ…よかった…」
どうしてここに美樹がいるの?
学校は?
ううん。
そんなことより
どうしてこの子は
偽の友達のことで
私なんかのことで
泣いているの
「あたし!ずっと紗知が心配だったよ!いつもいつもっ…」
美樹が座り込む私の肩で、涙をパジャマに滲ませていく。
「…違う…あたし…違う…」
頭は訳が分からない。
何から言っていいのかも
分からない。
ありがとうって
言うべきなのか
言いたかったけど
美樹に対する私の感情は、いつも冷めたもので。
それを一瞬で温めることなんて、できなかった。
私は呆然と座り込み
美樹は泣いていた。