蝶と空
曖昧
ピッ…ピッ…ピッ
機械音が頭に響く。
これは、きっと私の心拍数を機会音に変えている音。
じゃあ、生きてるんだ。
そっか
生きてたんだ私。
これで、何回目かな
倒れたの。
迷惑かかってるよね
お母さんも心配してるかな
朦朧とした意識の中で、いろんな考えが私の脳を過ぎていく。
ただ、真っ白な天井と電気を見つめていた。
《紗知、学校行くよ》
え?
学校?
《まってよー!空はやいよ》
嘘…まただ。
頭にガンガンと響く声。
女の子の…声もした。
今までは幼い男の子だけだったのに。
『空』って、女の子は男の子のことを呼んでた。
誰なんだろう。
空…
響きのいい名前。
あなたは一体誰ですか?
私の何?
どうして私の脳に語り掛けるの?