蝶と空


「紗知!大丈夫?びっくりしたよ!急に倒れたりするから…!」

「美樹…うん。平気だよ。いつも倒れちゃうの」

美樹に向けた笑顔。
きっと私、今苦笑いになってる。

だって、美樹が不安そうに私を見ているから。


「あたし…あたし何もできないかもだけど。でも、紗知の力になりたいの」

「うん」

「だから…言って?紗知が私にしてくれたように。何か辛いことがあるなら私に話してほしい。私見てられないよ…紗知、どんどん壊れていく気がして」

「美樹…」


私、ちゃんと美樹の話聞いたことなかったのに。

いつもいつもバカにして。

なのに…




「ここ、座って」

私はベッドを半分空けて、美樹にそう言った。

美樹は柔らかく微笑んでベッドに座った。




それから、全部話した。


私がお母さんと上手くいかなくて辛い事。

そんなふうにもがいてる中で、彼に会った事。

今でもその彼が忘れられない事。



それから


頭痛と一緒にかすれて映像や、声が聞こえるということ。



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