たとえ届かなくても、君がずっと大好き。
私が小さく嗚咽(おえつ)をこぼしながら
泣いているとお母さんは、
「 咲笑 」
私を抱き締めて足に座らせた。
「 ほんとおはねっ、
ちゃんとさわってもらいたいの・・っ。
でもね・・・
きっと、
りゆうがあるからっ。
がまんするんだっ 」
お母さんの右手が
ゆっくりと私の背中をさする。
「 ――・・・ふぅっ 」
「 咲笑。
恋って、
楽しいことや嬉しいこと
ばかりじゃないの。
苦しくなったり、
こうしてほしいって思うのも
含めて恋なの。
恋してるからそうなるのよ。
そう想うの。
みーんな同じよ 」
お母さんの言葉にまた涙が流れた。