甘言師、臥雲旦陽の甘い毒
二章
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「…初めから、少し刺激が強すぎたかな?」
疲れ切った体をソファに鎮める国府谷に、梅芳はお茶を差し出した。
「…少しは甘言師について、理解してくれた?」
「…あれをみて?…ちょっと僕には理解できないな」
目を塞げば思い出す、あの非日常を。
先ほどまでの光景が嘘のように、落ち着きを取り戻した静かな応接間に、国府谷は深いため息を吐いた。
「…甘言師は詐欺師みたいなものって言ったよね?」
「…その言葉は撤回します」
「よろしい」