甘言師、臥雲旦陽の甘い毒
「…特別って?」
「…うん…臥雲さんはね?甘い言葉の糸を垂らし、獲物を吊り上げるのが得意なの。今回の依頼人に合った時すぐに罪を白状し責められたいんだってわかったから、臥雲さんに振ったの」
「…どうしてそんなことがわかったの?」
「…だって、会って数秒の見るからに怪しいお店の若い女の子に人を殺しましたー。なんてカミングアウト普通しないでしょ?誰でもよかったんじゃないかな。今回は多分私でもよかった。だけど秀由くんの今後の為にも臥雲さんと組んで勉強してもらいたかったの」
「…僕と組んでって…」
「応接間を覗いてるの実はすぐに気づいてたよ。もっと上手に隠れないと、バレバレだよ」
「…今後の勉強っていうのは」
「…甘言師はね、今回みたいな依頼が結構多いの。自分の心の内を吐露して楽になりたいって人。だからそう言う人と向き合うことの大変さをわかってほしかった。だから強引な方法使ってごめんね」
謝る梅芳に国府谷は深いため息を吐いた。