甘言師、臥雲旦陽の甘い毒

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 臥雲に対する国府谷の印象は出会ってから変わらない。

 静かで独特の間の取り方をする話方、ゆっくりであったかと思えば急に語尾を早めたりと何の意味があるのか新米の国府谷には理解出来なかった。

 狐を連想させる切れ長の細目でじっと見つめられては、悪くなくても弁解しなくてはと思わせる威圧感があった。

 いつもそこにいてもあまり存在感のない人、でも肝心な時には確かにそこにいる。

 そんな不確かで曖昧な存在だった。

 
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