甘ーいheartを召し上がれ?【完結】
…好きだから。
こんなに、壊したいと
困らせたいと。
…泣かせたいと、思ってしまうんだろうか。
愛情表現は、得意じゃない。
感じたことを簡単に伝えられるほど、俺は素直じゃない。
本能に忠実に、俺は自分のしたいように行動するのみ。
…きっと、俺の“愛”はかなり歪んでるんじゃないかと思う。
咲姫の笑顔を見ると、幸せだとか愛しいだとか、いろんな感情が込み上げてくる。
だから、咲姫の笑顔を求めている、自分が居るんだ。
…でも、それとは裏腹に。
咲姫の、あの今にも泣きそうな困った表情を、
俺は見たいんだと、本能がそう言っているんだ。
…余裕が失くなる、この感覚。
卑屈な形で感じる、咲姫への愛しさ、美しさ。
壊したいと疼く、俺の欲望。
…全てが、止められなくなってしまったんだ。
まるで溺れたかのように、俺はそこから抜け出せなくて。
…咲姫の、その表情に
俺はいつの間にか、
魅了されていたんだ――…。