甘ーいheartを召し上がれ?【完結】
その後の彼女は、“自分”を失い

毎日のように、夜の街を歩き通した。


二人の子供を実の親に預け、

自分は躯を弄んだ。


自分を売ったり、

誰かを買ったり……

そんな毎日が、幾度も続いた。







『――…アンタは、生きた屍(シカバネ)同然だ――』



あの日、あの男性(ヒト)と出会っていなければ、

……あの言葉に、出会わなければ。




今の、あの笑顔は

…もう二度、見ることはなかったのかもしれない。




彼女は、街中で出会った彼に救われたんだ。


“欲”に溺れた彼女を。

泥沼から引きずり出してくれたのは、


No.1ホストの、『天使 礼(アマツカ ライ)』。



――彼女の、現在の夫である。





彼女はこの時、感じたんだ。


幾ら躯を重ねたって、

そんなの意味が無いんだって。


たった一つの愛で、

人は変わって行けるんだって――…。



二人の結婚式の日、

彼は彼女に誓ったの。


『アンタがまた、道を踏み外しても。




―…俺がまた、その手を引いてやるよ』




それを聞いた彼女は、


涙を流し、天使のような笑顔で微笑んだ―――……。





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