雪の降る日に、願いを消して
教室のキミ
池田高校1年1組。
あたしは一番後ろの席で、寝癖のついた後ろ頭を見つめていた。
今日は朝起きる時間が遅かったんだろうか?
キミは教科書に隠れて何度も欠伸をしている。
退屈な授業では眠気は更に加速していくばかり。
先生にバレていないと思っているのか、教科書を立てた状態で漫画を読み始めてしまった。
だけどそんなのは教卓に立っている先生からは全部バレバレなんだ。
ほら、気が付いた先生が呆れ顔でキミに近づいていく。
先生が近づいてくることに気が付いていないのはキミの方で、「なにしてる!」と突然声をかけられて大慌てだ。
その様子を見ていたクラスメートたちからどっと笑い声が漏れる。
漫画を没収されたキミはペロッと赤い舌を覗かせて照れ笑いを見せた。
その仕草が子供のようで可愛らしくて、あたしは思わず微笑んでいた。
そして視線を少しずらした時、隣の席の桜子が視界に入った。
桜子は大きな目を寂しげに細めて、キミの事を見つめていた……。
あたしは一番後ろの席で、寝癖のついた後ろ頭を見つめていた。
今日は朝起きる時間が遅かったんだろうか?
キミは教科書に隠れて何度も欠伸をしている。
退屈な授業では眠気は更に加速していくばかり。
先生にバレていないと思っているのか、教科書を立てた状態で漫画を読み始めてしまった。
だけどそんなのは教卓に立っている先生からは全部バレバレなんだ。
ほら、気が付いた先生が呆れ顔でキミに近づいていく。
先生が近づいてくることに気が付いていないのはキミの方で、「なにしてる!」と突然声をかけられて大慌てだ。
その様子を見ていたクラスメートたちからどっと笑い声が漏れる。
漫画を没収されたキミはペロッと赤い舌を覗かせて照れ笑いを見せた。
その仕草が子供のようで可愛らしくて、あたしは思わず微笑んでいた。
そして視線を少しずらした時、隣の席の桜子が視界に入った。
桜子は大きな目を寂しげに細めて、キミの事を見つめていた……。
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