雪の降る日に、願いを消して
怒り
1日で世界が変わってしまうことって、本当にあるんだ。


あたしは中庭のベンチに座ってぼんやりとそんな事を考えていた。


それが良い変化でも、悪い変化でも、人によっては生きる世界が180度回転してしまう。


あたしにとって今日がまさにそんな日になってしまったのだ。


それも、悪い方の変化で。


「桜子と駿の考えていることがあたしにはもうわからないよ」


紗英はさっきから同じ言葉を繰り返し、大きくため息を吐き出した。


「告白しないって言ってたのに、なんでいきなり付き合ってんの? 意味わかんない」


まるで自分の事のようにそう言い、地面を蹴とばす紗英。


あたしも紗英と同意見だった。


駿は誰とも付き合わない、桜子も告白はしないと言っていた。


なにがあったのかわからないけれど、それが覆るようなことがあったんだろう。


部外者のあたしには知る由もないけれど。
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