雪の降る日に、願いを消して
そうこうしている間にどんどんクラスメートたちが登校して来て、あたしたちに加わって行った。


ジンクスに使っていた黒板がどんどん華やかになっていく。


あたしはその様子を見て、大きな声を上げて笑っていた。


「紗英の描いた先生もそっくりだよ!」


「鈴、こっちも見てよ! すっごく面白いの描いてるよ!」


あたしのたった1人の時間が消えて行く。


駿への気持ちは、クラスメートたちの笑い声によって少しだけ和らいだのだった。
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