雪の降る日に、願いを消して
照らし合わせる
お昼になり、あたしと紗英と聡樹の3人は屋上へ出てきていた。


肌寒いせいであたしたち以外に生徒の姿はない。


本当な屋内で人気のない場所を探したのだけれど、どこにもなくて仕方なくここまで来たのだ。


お弁当を広げて食べながらも、あたしたちはきっと同じ事を考えていたと思う。


今日の桜子と駿の態度だ。


手早くご飯を食べて一番最初に切り出したのは聡樹だった。


「今日のあいつらはどう考えてもおかしい」


真剣な表情でそう言った。


あいつらが誰の事かなんて、聞かなくてもわかった。


「そうだよね。絶対になにか隠してると思うよ」


紗英は何度も頷いて同調した。


あたしは何も言わず、紗英と聡樹を見る。


「思えば今までも不思議だなって思う事はあったよな」


聡樹が言う。


「例えば?」


紗英が聞く。


あたしは聡樹が口を開く前に過去の出来事を思い出していた。
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