雪の降る日に、願いを消して
☆☆☆

家に帰ってからあたしは新品のノートを取り出した。


そこに今日の日付を書いて、駿と桜子の様子を簡単にまとめる。


こうしてメモをしていけば、2人の違和感の正体が見えて来るかもしれないと思ったのだ。


その違和感の正体は、きっとあたしたちには踏み込ませたくない場所なんだろう。


2人だけの秘密にしておきたい場所。


あたしはそう考えて、胸の奥がうずくのを感じた。


あたしはまだ駿の事が好きなんだ。


胸が痛むたびにその気持ちを再確認させられて、あたしはギュッと拳を握りしめたのだった。
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