雪の降る日に、願いを消して
2人の様子を見る限り、駿の病気が良くなったとは思えない。


それでも告白してどちらかの駿と付き合い始めたと言う事は、2人の間になにかがあったからだ。


「そうかもしれない。だけど駿が二重人格であるとすれば、簡単に首を突っ込むことはできないな」


聡樹はそう言い、ため息を吐き出して腕組みをした。


その通りだ。


下手をすれば駿の人生を踏みにじってしまうかもしれない。


そこまでして駿の謎に首を突っ込むつもりはなかった。


「ありがとう2人とも。二重人格説が正しいかどうかわからないけれど、少しだけ駿の事を知れた気がする」


あたしはそう言い、力なく笑って見せたのだった。
< 154 / 312 >

この作品をシェア

pagetop