雪の降る日に、願いを消して
☆☆☆
時々休憩を挟みながらあたしは家の近くの薬局まで帰ってきていた。
家には誰もいないから、薬を買って帰るのだ。
ついでにインスタントのお粥なども適当にカゴに入れ、レジに向かう。
店内の空調がほどよくて、並んでいる間も苦痛ではなかった。
もしかしたら保健室にいた時よりも熱が下がっているかもしれない。
レジを抜けて袋を片手に出口へ向かう。
家まであと少しだ。
そう思った時だった。
レジに並んでいる男の人が視界に入った。
帽子を被り、私服姿のその男の人にあたしは「えっ……」と、声を漏らす。
男の人はあたしに気がつかない。
あたしはレジの袋を握りしめる。
駿……?
帽子を被っているから目元はハッキリと見えないけれど、それは駿のように見えた。
いや、あたしが見間違うはずがない。
あたしは棚のかげに身を隠してその様子を伺った。
時々休憩を挟みながらあたしは家の近くの薬局まで帰ってきていた。
家には誰もいないから、薬を買って帰るのだ。
ついでにインスタントのお粥なども適当にカゴに入れ、レジに向かう。
店内の空調がほどよくて、並んでいる間も苦痛ではなかった。
もしかしたら保健室にいた時よりも熱が下がっているかもしれない。
レジを抜けて袋を片手に出口へ向かう。
家まであと少しだ。
そう思った時だった。
レジに並んでいる男の人が視界に入った。
帽子を被り、私服姿のその男の人にあたしは「えっ……」と、声を漏らす。
男の人はあたしに気がつかない。
あたしはレジの袋を握りしめる。
駿……?
帽子を被っているから目元はハッキリと見えないけれど、それは駿のように見えた。
いや、あたしが見間違うはずがない。
あたしは棚のかげに身を隠してその様子を伺った。