雪の降る日に、願いを消して
熱の出た頭じゃまともな事も考えられない。


お母さんに温めてもらったお粥を食べて、薬を飲んで横になる。


テレビの音がぼんやりと聞こえて来る中、あたしはスマホを手に取った。


消してしまった駿のアドレスを紗英に教えてもらい、再登録をする。


そしてすぐにメールを送った。


《あなたは誰なの?》


あたしは自分の好きになった駿が何者なのか、もはやわからなくなっていた。


こんなメールを駿本人に送るなんて、熱がなければできない事だったと思う。


あたしはメールを送信した後、再び眠りについたのだった。
< 161 / 312 >

この作品をシェア

pagetop