雪の降る日に、願いを消して

萌ちゃんはあたしの事を快く思っていない。


それは理解していた。


あたしはダメでも、桜子が付き合うなら良いということなんだろう。


でも、今気になるのはそこじゃなかった。


時間だ。


今は昼を少し回った所。


どうして萌ちゃんが駿のスマホを確認できるのかどうかだった。


あたしはすぐに紗英に連絡をした。


《駿、今日は休み？》


《ううん？　ちゃんと学校へ来てるよ？》


それならスマホを家に忘れたんだろうか？


中学校が休みで、偶然駿のスマホを見つけた萌ちゃんが内容を確認して返事をしてきた？


まさか。


萌ちゃんはただの妹だ。


少しブラコン気味だとは思うが、スマホのチェックまでするとは思えない。


あたしは昨日薬局で見た駿の姿を思い出し、乾いた唇をなめた。