雪の降る日に、願いを消して
あたしが頷くと、聡樹は荒れた下唇をなめた。


「今日登校して来るのはショウの方だよ。昨日駿がショウに学校を頼むって言ってるのを聞いたから」


「駿は本当に双子だったんだね」


紗英は目を輝かせてそう言った。


徐々に謎が解けて来たことが嬉しいのかもしれない。


「そうみたい」


あたしは頷く。


聡樹の方はまだ眉間にシワを寄せて難しい表情をしている。


あたしが昨日考えたように、同年代であるショウの存在が気になるのだろう。


「とにかく、これで鈴の気持ちは振り出しに戻ったんだな」


聡樹が呟くようにそう言った。


「え? どういう意味?」


あたしは聡樹に聞き返す。
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