雪の降る日に、願いを消して
「紗英は……紗英は、聡樹が好きだったの?」
あたしが質問すると、紗英はゆるゆると顔を上げてあたしを見た。
その表情はひどく疲れていて、目にはまだ涙が浮かんでいる。
「……ごめん鈴」
「なんで、紗英が謝るの?」
「あたし、鈴と聡樹が付き合えばいいって、思ってた」
「え?」
あたしは首を傾げて紗英を見た。
紗英は大きく息を吸い込んで、またあたしを見た。
「だって、そうすればあたしの気持ちはちゃんとけじめをつけることができるから」
「そんな……」
否定しようとして、できなかった。
あたしも桜子と駿が付き合えばいいと思っていたから。
「だから、聡樹から『一応でもいいから付き合いたいんだ』って相談されたとき、あたしは手伝ったの」
紗英の声が震える。
あたしは紗英の手を強く握りしめた。
あたしが質問すると、紗英はゆるゆると顔を上げてあたしを見た。
その表情はひどく疲れていて、目にはまだ涙が浮かんでいる。
「……ごめん鈴」
「なんで、紗英が謝るの?」
「あたし、鈴と聡樹が付き合えばいいって、思ってた」
「え?」
あたしは首を傾げて紗英を見た。
紗英は大きく息を吸い込んで、またあたしを見た。
「だって、そうすればあたしの気持ちはちゃんとけじめをつけることができるから」
「そんな……」
否定しようとして、できなかった。
あたしも桜子と駿が付き合えばいいと思っていたから。
「だから、聡樹から『一応でもいいから付き合いたいんだ』って相談されたとき、あたしは手伝ったの」
紗英の声が震える。
あたしは紗英の手を強く握りしめた。