雪の降る日に、願いを消して
ショウがイライラとした口調でそう言って来た。
「ご、ごめん……でも、ホッとしちゃって……」
そう言うと、ショウは怪訝そうな顔を向けて来る。
好きな人を怒らせておいてホッとしたなんて、変な女だと思われたに違いない。
「意味わかんねぇ」
ショウはそう言い、あたしから視線を逸らせた。
「なぁ、お前はショウなんだよな?」
聡樹がまたその話題に触れた。
ショウは大きなため息を吐き出した。
観念しない事には解放されないと思ったのか「お前ら、ほんと性格悪いよな」と、舌打ちまでされた。
「お前が隠していることを誰かにバラしたりはしない。そんな事をするためにここにいるわけじゃないんだ」
聡樹が言う。
「それならどうしてそこまでして俺に構うんだよ」
ショウが聞く。
「鈴がお前の事を好きになったからだ」
聡樹がよどみなくそう答えた。
「いくら好きになられても、俺は誰の気持ちにも答えることはできない」
キッパリと言い切ったショウ。
その瞬間、違和感が胸を付いた。
『誰の気持ちにも答えることはできない』
それは自分の意思とは関係なく、そうせざるを得ないという意味に聞こえて来る。
「お前が鈴を振っても、駿は桜子と付き合ってるじゃないか。同一人物を演じてるくせにおかしいだろ」
聡樹がショウへ向けてそう言った。
確かに、そこにも矛盾が生じている。
同一人物を演じる必要があるのなら、2人とも誰とも付き合わないと決めておくべきだ。
「はぁ? 何言ってんだよお前ら。駿だって誰とも付き合ってないだろ」
ショウは怪訝そうな顔で、そう言ったのだった……。
「ご、ごめん……でも、ホッとしちゃって……」
そう言うと、ショウは怪訝そうな顔を向けて来る。
好きな人を怒らせておいてホッとしたなんて、変な女だと思われたに違いない。
「意味わかんねぇ」
ショウはそう言い、あたしから視線を逸らせた。
「なぁ、お前はショウなんだよな?」
聡樹がまたその話題に触れた。
ショウは大きなため息を吐き出した。
観念しない事には解放されないと思ったのか「お前ら、ほんと性格悪いよな」と、舌打ちまでされた。
「お前が隠していることを誰かにバラしたりはしない。そんな事をするためにここにいるわけじゃないんだ」
聡樹が言う。
「それならどうしてそこまでして俺に構うんだよ」
ショウが聞く。
「鈴がお前の事を好きになったからだ」
聡樹がよどみなくそう答えた。
「いくら好きになられても、俺は誰の気持ちにも答えることはできない」
キッパリと言い切ったショウ。
その瞬間、違和感が胸を付いた。
『誰の気持ちにも答えることはできない』
それは自分の意思とは関係なく、そうせざるを得ないという意味に聞こえて来る。
「お前が鈴を振っても、駿は桜子と付き合ってるじゃないか。同一人物を演じてるくせにおかしいだろ」
聡樹がショウへ向けてそう言った。
確かに、そこにも矛盾が生じている。
同一人物を演じる必要があるのなら、2人とも誰とも付き合わないと決めておくべきだ。
「はぁ? 何言ってんだよお前ら。駿だって誰とも付き合ってないだろ」
ショウは怪訝そうな顔で、そう言ったのだった……。