雪の降る日に、願いを消して
それを黙認しているのか、それとも両親の反対を押し切って2人が決めたことなのか。


それはわからないが、結果的に何も言えない状況にあるのだろう。


妹の萌ちゃんにしてもそうだ。


2人の関係性を知っているからこそ、『お兄ちゃんに近づくな』と、キツイ態度を取るのだ。


だけど、桜子は違う。


桜子はなにもかも最初から知っていた。


だから駿と一緒にいても攻撃を受ける事はないんだ。


あたしはゆっくりと息を吐き出して桜子と駿の様子を見つめた。


やっぱり駿にとって桜子は特別な存在だった。


あたしが足を踏み入れる事の出来ない場所に2人はいた。


それでもよかった。


だってあたしが好きなのは、ショウなのだから……。
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