雪の降る日に、願いを消して
いつもと違う紗英の雰囲気に聡樹も気が付いている。


集合する理由はなんであれ、好きな人に良く見られたいと思うと当たり前の心理だった。


「じゃ、行こうか」


歩き出すあたしに「どこへ行くんだ?」と、聡樹が聞いてきた。


「とりあえず学校。他のクラスの名簿を確認させてもらってカレンって名前の子がいるかどうか調べるの」


1年のクラスは7クラスもあるのだ。


自分のクラスと隣のクラスの名前くらいは知っていても、全部を覚えているわけじゃない。


「よし、行こう」


聡樹はそう言い、歩き出したのだった。
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