雪の降る日に、願いを消して
☆☆☆
クラス表を職員室へ戻したあたしたちは、少し離れた場所にあるファミレスへと移動して来ていた。
休日でもあれだけの生徒たちが学校へ登校してきているのだ。
近くのファミレスだって知り合いが多いだろうと考えたのだ。
「前田先輩、好きな物を注文してください」
あたしは前田先輩に4人席の窓際に座ってもらってそう言った。
「いいのか?」
「大丈夫です。前田先輩には色々と聞きたい事があるんです」
そう言うと、前田先輩はさっきよりも警戒したような表情を浮かべた。
昔から駿の知り合いだと言う事は、駿が双子だと言うことも知っているはずだ。
そして『カレン』という女の子の事も……。
「急に用事を思い出した。やっぱり今日は帰るよ」
突然そう言い、立ち上がる前田先輩。
しかし、前田先輩の横には聡樹が座っているので帰る事ができない。
それを見越して、前田先輩には窓際に座ってもらったのだ。
「あたしは駿の事が好きなんです」
立ち上がった前田先輩に向けてそう言った。
前田先輩は驚いたように目を見開いてあたしを見る。
「応援はしてあげたいけれど、俺は本当にこの後用事があって……」
「正確には、ショウの事が好きなんです」
モゴモゴと言い訳を続ける前田先輩へ向けて、あたしは言った。
ショウの名前を出すだけで自分の頬が火照るのを感じる。
前田先輩はギョッとしたようにあたしを見て、ゆるゆると椅子に座った。
「君たちは、あいつの事をどこまで知ってるんだ?」
前田先輩は力が抜けたようにそう聞いて来たのだった。
クラス表を職員室へ戻したあたしたちは、少し離れた場所にあるファミレスへと移動して来ていた。
休日でもあれだけの生徒たちが学校へ登校してきているのだ。
近くのファミレスだって知り合いが多いだろうと考えたのだ。
「前田先輩、好きな物を注文してください」
あたしは前田先輩に4人席の窓際に座ってもらってそう言った。
「いいのか?」
「大丈夫です。前田先輩には色々と聞きたい事があるんです」
そう言うと、前田先輩はさっきよりも警戒したような表情を浮かべた。
昔から駿の知り合いだと言う事は、駿が双子だと言うことも知っているはずだ。
そして『カレン』という女の子の事も……。
「急に用事を思い出した。やっぱり今日は帰るよ」
突然そう言い、立ち上がる前田先輩。
しかし、前田先輩の横には聡樹が座っているので帰る事ができない。
それを見越して、前田先輩には窓際に座ってもらったのだ。
「あたしは駿の事が好きなんです」
立ち上がった前田先輩に向けてそう言った。
前田先輩は驚いたように目を見開いてあたしを見る。
「応援はしてあげたいけれど、俺は本当にこの後用事があって……」
「正確には、ショウの事が好きなんです」
モゴモゴと言い訳を続ける前田先輩へ向けて、あたしは言った。
ショウの名前を出すだけで自分の頬が火照るのを感じる。
前田先輩はギョッとしたようにあたしを見て、ゆるゆると椅子に座った。
「君たちは、あいつの事をどこまで知ってるんだ?」
前田先輩は力が抜けたようにそう聞いて来たのだった。