雪の降る日に、願いを消して
「俺さ、お前が桜子と付き合ってるって知って、あぁ、もう限界なんだなって思ったんだ」


「桜子と付き合った事は謝る。あれは俺の心が弱かったからだ。でも大丈夫、もう平気だ。桜子とも別れる」


駿が早口にそう言った。


桜子と別れるという言葉に、あたしは驚いて駿を見た。


それほどまで知られたくない何かがあるというのだろうか。


「駿、俺も限界なんだよ」


ショウが優しい口調でそう言った。


「ショウ――!」


「俺は、鈴が好きなんだ」


ショウの言葉に、あたしの時間は止まった。
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