雪の降る日に、願いを消して
それでも言わずにはいられなかった。


『なんで? だって、可憐は俺たちの友達で……ずっと一緒だと思ってて……』


小学生の低学年の頃、欲しいお菓子を買ってもらうために店頭でグズグズと拗ねていた自分を思い出した。


あの頃の俺と今の俺は同じだ。


可憐への想いを口にしながら、俺は手に入らない物を求めてその場に立ち尽くしていたのだった。
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