雪の降る日に、願いを消して
叔父さん
翌日、気温は急激に下がっていて一気に冬の気配が近づいていた。


コートを取り出して制服の上から羽織る。


昨日駿とショウから聞いた話があまりに衝撃的すぎて、あまり眠る事ができなかった。


寝不足のまま外へ出ると空気の冷たさに首をすぼめる。


空を見上げると灰色の雲に覆われているのがわかった。


朝なのに、もう夜みたいに暗い世界。


「おはよう、鈴」


そう声をかけられて振り返ると、聡樹と紗英が立っていた。


2人とも今日はコートを着込んでいる。


「今日は寒いね」


「そうだね。明日は雪が降るかもしれないんだって」


「今年は随分と早いね」


まだ11月に入ったばかりだ。


もうすぐで期末テストが始まる。


こんな時期にこれほど寒かったことがあるだろうか。
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