雪の降る日に、願いを消して
ただ、1つ問題があった。


それはさっき言った失敗した場合だった。


その時のために備えて、あたしはある考えを持っていた。


事態が悪化しても駿だけは助かる方法……。


あの時の願いを取り下げてもらうのだ。


願いを消してしまえば駿の痛みは消える。


痛みが消えれば、駿は可憐さんの身が安全になったと思う事だろう。


そしてショウも駿も自分の人生を歩く事ができるようになるんだ。


駿を騙すようで申し訳ないことだけれど、共倒れにはなってほしくなかった。


あたしはゴクリと唾を飲み込んでショウから視線を外した。


決意はすでにできている。


前田先輩の叔父さんが行動を始める前に、あたしが動く。


あたしがあの神社に行き、体を八つ裂きにされるんだ……。
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