雪の降る日に、願いを消して
そう、今日から翔が同じクラスの一員になるんだ。
勉強ができた翔は編入試験も一発で合格。
晴れて同級生となるわけなのだが……チャイムが鳴り、先生が来ても翔は姿を見せなかった。
「転入初日から遅刻?」
クスクスと笑い声が聞こえて来る。
翔、どうしたんだろう……。
もうすぐ体育館へ移動しなきゃいけないのに……。
そう思った時だった。
突然教室の後ろのドアが開いた。
「遅刻しました!!」
元気よくそう言った翔の顔は泥まみれで、制服ではなくジャージ姿だ。
その様子に教室の中がざわめいた。
「転入初日に何しているの!」
先生が慌てたように駆け寄る。
「犬が池で溺れてたんで、助けてから来ました」
そう言った翔の手にはぬれた制服が握られている。
「野良犬だったから、誰かよかったら飼ってくれないか?」
ヘラッと笑ってクラスメートへ向けてそう言った翔に、あたしはクスッと笑ったのだった。
END
勉強ができた翔は編入試験も一発で合格。
晴れて同級生となるわけなのだが……チャイムが鳴り、先生が来ても翔は姿を見せなかった。
「転入初日から遅刻?」
クスクスと笑い声が聞こえて来る。
翔、どうしたんだろう……。
もうすぐ体育館へ移動しなきゃいけないのに……。
そう思った時だった。
突然教室の後ろのドアが開いた。
「遅刻しました!!」
元気よくそう言った翔の顔は泥まみれで、制服ではなくジャージ姿だ。
その様子に教室の中がざわめいた。
「転入初日に何しているの!」
先生が慌てたように駆け寄る。
「犬が池で溺れてたんで、助けてから来ました」
そう言った翔の手にはぬれた制服が握られている。
「野良犬だったから、誰かよかったら飼ってくれないか?」
ヘラッと笑ってクラスメートへ向けてそう言った翔に、あたしはクスッと笑ったのだった。
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