雪の降る日に、願いを消して
嬉しそうな顔
今日もいつも通り早い時間に学校へ行く。


黒板に名前を書くと言うジンクスを実行するために、足はどんどん速くなる。


もしかしたら今日はもう誰かが登校して来ているかもしれない。


そう思うと気持ちが焦りはじめるのだ。


転校していったカナちゃんはジンクスの回数については何も言っていなかった。


ジンクスは1回成功すればいいのかもしれないけれど、あたしは毎日ジンクスを行う。


だって、昨日は叶わなかったけれど、今日は叶うかもしれないじゃん。


今日は無理でも、明日は叶うかもしれない。


そんなの誰にもわからないもん。


誰よりも早く教室に到着したあたしは、ホッと息を吐き出してほほ笑んだ。


今日もあたしが一番乗りだ。


あたしは黒板の前に立ち、鞄を足元に置いてチョークを持った。


カッカッと心地いいリズムで岩中駿と書いていく。


どうかこの想いが届きますように。


駿と一緒に幸せになれますように。


そう思いながら書き綴っていた途中、不意に聡樹の顔を思い出してあたしは手を止めた。
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