雪の降る日に、願いを消して
あたしの胸の中には駿を好きだという気持ちが沢山あって、それはいつ溢れ出してもおかしくなかった。
口をギュッと閉じていないと、自分の意思に関係なく『駿が好きだー!!』と、叫んでしまうかもしれない。
「なんの話をしてるの?」
隣からそう声をかけられて、紗英とあたしは一瞬にして口を閉じた。
高校に入学してからできたもう1人の友達、黒井桜子(クロイ サクラコ)だ。
桜子は駿へ向けて切ない表情を浮かべる。
桜子は駿へ向けて本当に幸せそうに笑う。
桜子は駿の話題をしていると必ず会話に入ろうとする。
桜子は駿のことが好きなのだ。
「別に、なんでもないよ」
紗英が笑顔を作ってそう答えた。
桜子を仲間外れにしたいワケじゃないけれど、あたしの気持ちは離さない。
3人のこの関係が崩れてしまうのが、怖かった。
それに、桜子の切なそうな表情を見るたびにまるで自分自身を見ているかのような気持ちになっていた。
あたしも駿をあんな悲しそうな顔でみているのだろうか。
そう考えて、あたしは自分の頬に手を当てたのだった。
口をギュッと閉じていないと、自分の意思に関係なく『駿が好きだー!!』と、叫んでしまうかもしれない。
「なんの話をしてるの?」
隣からそう声をかけられて、紗英とあたしは一瞬にして口を閉じた。
高校に入学してからできたもう1人の友達、黒井桜子(クロイ サクラコ)だ。
桜子は駿へ向けて切ない表情を浮かべる。
桜子は駿へ向けて本当に幸せそうに笑う。
桜子は駿の話題をしていると必ず会話に入ろうとする。
桜子は駿のことが好きなのだ。
「別に、なんでもないよ」
紗英が笑顔を作ってそう答えた。
桜子を仲間外れにしたいワケじゃないけれど、あたしの気持ちは離さない。
3人のこの関係が崩れてしまうのが、怖かった。
それに、桜子の切なそうな表情を見るたびにまるで自分自身を見ているかのような気持ちになっていた。
あたしも駿をあんな悲しそうな顔でみているのだろうか。
そう考えて、あたしは自分の頬に手を当てたのだった。